私は、誰にも負けないくらい猫が大好きな人間です。
物心がつく前から猫は身近にいる存在で、それが当たり前の環境で育ってきました。
私にとって猫は友人であり、パートナーであり、家族です。
そんな私ですが、最近猫についていろいろ考えさせられるある問題に直面しました。
それは近所の野良猫の問題です。
私は猫が好きなので、野良猫を見るとテンションが上がってしまうのですが、実際はそんな軽い気持ちで捉えてはいけない問題もあります。
いろんな考えの人が住む地域で、野良猫と人間が共存する方法はあるのでしょうか?
今回は、私が直面した野良猫と地域社会についてのお話を紹介します。
始まりは夜中の喧嘩の声
私の住む地域は、静かな住宅地で高齢者の方の割合が目立ちます。
昼も夜も比較的静かな場所なのですが、去年の春あたりから、夜中に野良猫の喧嘩をする声がよく聞こえてくるようになりました。
猫は暖かい時期になると発情期を迎え、メスを巡ってオス同士が喧嘩をすることが増えます。
早朝犬の散歩に行くとき、その喧嘩の主たちの姿はチラッと見たことはありました。
しかし警戒心の強い野良猫は、人の姿を見るとスッと建物の間に隠れてしまいます。
この時の私は、
「可愛い野良猫ちゃんが家の近くに住んでる。」
という程度の認識で、そのことが問題だとは思ってもいなかったのです。
増える野良猫と発生する問題
ところが今年の春、野良猫たちの喧嘩の声が去年をはるかに超えるほど多くなったのです。
それもそのはず。去年は白やトラ柄の数匹しか見なかった野良猫たちが、いろいろな柄になって数倍の数に増えていたのですから!
猫はだいたい年に1~2回出産し、1回で5~6匹ほど生まれます。
去年はたった数匹だけでも、1年で何倍にも数を増やせるほど、猫は繁殖能力がとても高い生き物なのです。
こうなると出てくる問題は3つ、鳴き声による騒音問題、生ゴミを荒らすゴミ問題、私有地内での糞尿問題です。
まず夜中に喧嘩をする声は、人間にとってうるさいと感じるのはもちろん、周りの猫を興奮させる原因にもなります。
私の家には2匹の猫がいるのですが、夜中の喧嘩の声に反応して窓から威嚇するようになり、猫にとってかなりのストレスになっていました。
そのせいで猫が家を飛び出そうとする事件が発生して、また別の問題として我が家で話し合う事態になりました。
次に生ゴミの問題は非常に厄介で、地域住民が共同で使っているゴミ捨て場が荒らされ、朝早くからひどい悪臭を放っていました。
そして荒らされたゴミ捨て場を狙ってカラスも集まるようになり、近所の学校の通学路だったのもあり、学校からカラスに関しての注意喚起のプリントが配られるほどになっていたそうです。
また、荒らされた後の掃除を誰がするか?ということ、ゴミ捨てルールに従わない住民がいることも問題となり、住人同士のトラブルも増えていました。
最後に私有地での糞尿問題。
もちろん猫も生きているので、食べたものは排泄します。
特に猫は元々肉食で、雑食の犬に比べると、糞尿のニオイはかなりきついです。
猫がトイレをするとき、ただの排泄としてだけではなく、周りにいる猫たちへの存在アピールとしてのマーキングの意味が込められる場合もあります。
私の家に猫がいることは野良猫たちにも知られているようで、マーキングをしに来たオスの野良猫に、花や野菜を育てていたプランターが荒らされ全滅させられる被害が出てしまいました。
キレる住人達
ここまでくると、住人達も黙ってはいません。
猫がそこに住み着き繁殖しているのは、それができる環境が与えられている証拠であり、誰かがエサやりをしているということです。
住人達の中には、“害獣”と呼ぶほど猫を毛嫌いしている人もいました。
そのような人からすれば、今回のような問題を招いたのはすべて猫好き人間のせいだと感じるでしょう。
実際に、
「ここらに住む猫飼いたちがすべての責任を負うべきだ!」
と、私の家にも名指しして責任を押し付けてくる人がいました。
さすがにこれには私も言い返しましたし、他の住人たちも「それは違う!」と声をあげてくれたので大事にはなりませんでした。
しかし、「そう考える人もいるのか。」と、自分と違う意見に驚くと同時に、かなりショックを受ける出来事でした。
猫好きだから悩んでしまう
実を言うと、私はこの野良猫たちにこっそりエサを与えている人物を知っています。
近所で一人で生活をしているお爺さんなのですが、その人も私と一緒で動物好き。よく私が犬の散歩をしている時も話しかけてくれる人です。
その方は自身がもう高齢のため、ペットを飼うことはもうないと言っていました。
当然、本人から「野良猫にエサをやっている。」と聞いたことはありませんが、動物を飼っていないにもかかわらず、玄関前にペット用の給餌皿と水が置いてあります。
私は、その人が悪気があるわけではないことは理解していますし、野良猫のためにやっているということも共感しています。
しかし、その行為が不幸な命を増やす負の連鎖だということも承知しています。
正直なところ、「この人がエサをあげなくなったら、今いる野良猫たちはどうなるのだろう?」と思うこともあります。
理想を言えば、このお爺さんにエサやりをやめるよう説得し、保健所や保護団体に連絡して野良猫たちを保護してもらうのがいいのかもしれません。
ただ実際にその問題を目の前にすると、お爺さんや野良猫のことが気になり、行動することができないのです。
どうすれば全員が納得して野良猫と地域住民が平和に暮らせるようになるのでしょう?
地域でルールを作って守っていくことはとても大切だと思います。
そのためには、どんな意見があったとしても否定せず、歩み寄りの姿勢を見せられる環境を作っていく必要があるのではないでしょうか?
kitsuneko22-10著
