ハムスターは愛らしい小動物として多くの人々に親しまれていますが、その寿命は2~3年と短く、非常にデリケートな生き物です。ペットとして飼育する上で、病気への対策と適切な健康管理が極めて重要となります。今までたくさんのハムスターを育てていて、いろんな病気に遭遇しました。この記事では、私の長年のハムスター飼育で得た経験をもとに、ハムスターの健康管理と一般的な病気について分かりやすく解説します。ここで紹介する情報が、ハムスターを愛する飼い主の皆様のお役に立てれば幸いです。
1.ハムスターの歴史
ハムスターの歴史は比較的新しく、1930年代にシリアで発見されたことから始まります。当初は実験動物として使用されていましたが、その愛らしい外見と親しみやすい性格から、徐々にペットとしての人気も高まっていきました。日本でハムスターがペットとして広く認知され、人気を博すようになったのは比較的最近のことです。現在では、様々な品種が存在し、多くの家庭で愛されています。
今ではハムスターはペットとして人気がありますが、45年ほど前にも一度ブームがありました。当時は今のようなバリエーション豊かな品種ではなく、一般的なノーマルハムスターが主流です。ペットショップで購入するのではなく、友人の家で繁殖した子を譲り受けるのが一般的でした。
小学生だった私は、そのかわいい姿に魅了され、いつも話しかけていたように思います。当時はハムスター用のケージがなかったので、鳥かごをケージ代わりにしていました。とても懐かしい思い出です。
2.よくある病気と症状
① 不正咬合
不正咬合は、生まれつき上下の歯がずれている状態を指します。ハムスターの歯は一生伸び続けるため、この状態を放置すると歯が異常に伸び、食事が取れなくなるなど、命に関わる深刻な事態を招きかねません。不正咬合が見られる場合は、定期的な歯のカットが必要となります。通常、1週間に一度のペースで獣医師による処置が必要です。
②腫瘍
ハムスターは腫瘍ができやすい動物として知られています。これは、実験動物としての歴史が関係しているかもしれません。腫瘍には良性と悪性があり、その場所や大きさによっては手術が必要になることもあります。しかし、ハムスターの場合、手術後の経過が良好でないことも多いため、獣医師と相談の上、最善の対処法を決定する必要があります。
③皮膚炎
皮膚炎は、ハムスターによく見られる症状の一つです。脱毛や痒みを伴うことが多く、その原因としてアカラスが挙げられます。また、免疫力の低下も皮膚炎の一因とされています。ハムスターは非常にデリケートな生き物であり、ストレスや不適切な環境によって免疫力が低下しやすいため、日頃からの適切なケアが重要です。
④下痢
下痢は、ハムスターにとって緊急を要する深刻な症状です。体が小さいハムスターにとって、下痢による脱水症状は急速に進行し、衰弱につながる危険があります。下痢に気づいたら、すぐに動物病院に連れて行く必要があります。原因は様々ですが、適切な治療を早期に開始することが、ハムスターの命を守る鍵となります。
⑤ 腸閉塞
腸閉塞は、腸が詰まったり、ねじれたりする非常に深刻な病気です。症状が進行すると、腸が一部外に出てしまうこともあります。残念ながら、手術を受けても予後が良くないことが多く、命に関わる危険な状態です。腸閉塞を予防するためには、ハムスターに適切な食事を与え、異物を誤飲させないよう注意深く管理することが重要です。
⑥その他の症状
上記以外にも、ハムスターには様々な健康上の問題が起こり得ます。頬袋脱(頬袋が外に出てしまう状態)、目や耳の病気、くしゃみや鼻水、呼吸困難なども注意が必要です。特に呼吸器系の症状は急速に悪化する可能性があるため、早期発見と迅速な対応が求められます。
3.日頃の健康確認

ハムスターの健康を維持するためには、日頃からの観察が欠かせません。以下の点に注意して、定期的にチェックしましょう。
- 耳の状態:健康なハムスターの耳はピンと立っています。
- 目や耳のヤニ、涙の異常:過剰な分泌物や異常な色の有無を確認します。
- おしり周辺の状態、排泄物の確認:下痢や血便がないか注意深く観察します。
- 毛並みの乱れ:健康なハムスターは毛並みが整っています。
- 毛づくろいの頻度:体調不良のハムスターは毛づくろいの頻度が減少します。
- 不自然な出来物やしこり:体のどこかに異常な膨らみがないか触って確認します。
4. 薬の与え方
ハムスターに病気の治療や予防のために薬を与える必要がある場合、その方法を知っておくことは重要です。液体薬の場合、歯のそばに直接流し込むか、好物に混ぜるのが効果的です。これが難しい場合、栄養価が高くハムスターの好む食材—例えば、ヒマワリの種の粉、ハムスター用粉ミルク、ペレット—でミニ玉を作り、そこに薬を混ぜると食べてくれます。頬袋への格納(ハムスターは頬袋に一旦保管してしまうことがあります。)が心配な場合は、とろみのある液体にして舐めさせます。目薬の場合、片手でハムスターをしっかり固定し、もう一方の手で慎重に投与します。ただし、個体によって効果的な方法が異なるため、獣医師のアドバイスを受けながら、それぞれのハムスターに適した方法を見つけることが大切です。
5.動物病院の選び方
ハムスターの健康管理において、信頼できる動物病院を見つけることは非常に重要です。ハムスターは犬や猫とは全く異なる生態を持つため、その診療には特別な知識と経験が必要です。ハムスターの診療に慣れた獣医師を選ぶことが大切で、そのためには口コミなどの情報を参考にするのが良いでしょう。小動物専門の病院を探すのもおすすめです。また、実際に診察を受ける前に、ハムスターの扱い方や診療経験について確認することも重要です。
6.食事管理
適切な食事管理は、ハムスターの健康維持に不可欠です。基本的な食事はペレットを中心とし、それに加えて適度に野菜を与えるのが理想的です。ただし、水分の与えすぎには注意が必要で、特に野菜は腐敗しやすいため、定期的に新鮮なものと取り替える必要があります。また、ネギ類やハムスターの頬袋にくっつきやすい食べ物(茹でたカボチャやサツマイモなど)は避けましょう。これらは頬袋に詰まったり、消化器系に問題を引き起こす可能性があります。
7.温度管理
ハムスターは温度変化に敏感な動物です。適温は20℃~25℃程度で、この範囲を大きく外れると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。季節による温度変化に注意し、必要に応じてエアコンやパネルヒーター、床材の量で調節することが重要です。特に、夏の高温(30℃以上)や冬の低温(5℃以下)は命に関わる危険があるため、細心の注意が必要です。ハムスターの様子を観察し、暑がったり寒がったりしている様子が見られたら、すぐに対策を講じましょう。
8.ペット保険
ハムスターの医療費は予想以上に高額になることがあります。そのため、ペット保険への加入を検討する価値があるでしょう。ペット保険は、入院・通院・手術の費用をカバーし、予期せぬ出費に備えることができます。ただし、加入の際は個体ごとに契約する必要があり、免責事項をしっかり確認することが大切です。保険によってカバーされる範囲や条件が異なるため、複数の保険を比較検討し、自分のニーズに合ったものを選びましょう。
私自身、何度かペット保険に加入した経験があります。動物病院での手術や診療代金に保険が直接適用されないのは当然ですが、回数を重ねるごとに費用が高額になっていきます。特に手術代は高額です。そんな中、ペット保険からの給付金は本当に助かりました。
9. まとめ
ハムスターは確かに可愛らしく魅力的なペットですが、同時に非常にデリケートな生き物でもあります。その短い寿命の中で、健康で幸せな生活を送らせるためには、飼い主の適切なケアと注意深い観察が欠かせません。日頃の健康管理、適切な環境づくり、そして病気の早期発見と迅速な対応が、ハムスターの健康と長寿につながります。
愛情を持って接し、ハムスターの小さな変化にも気づける関係性を築くことが大切です。そうすることで、ハムスターとの楽しく幸せな時間を最大限に延ばすことができるでしょう。ハムスターの健康を守ることは決して簡単ではありませんが、その努力は必ず報われます。愛おしいハムスターとの日々を、心から楽しんでいただけることを願っています。
haruka_moon-8著
