皆様、こんにちは!
突然ですが、皆様はペットを飼っておりますか?
筆者自身で購入して飼ったことはないのですが、実家に住んでいた時には両親がワンちゃんを一匹飼っておりました。
犬種は、グレートピレニーズ。
今大変人気のアニメ「SPY×FAMILY」でも似たようなワンちゃんがおり、
もしかしたら現在は大変人気な犬種かもしれませんね。
そんな実家に居たワンちゃんは、私が生まれる前から居たワンちゃんで、私を子供の頃からいつも見守ってくれておりました。
今回は、そんな実家に居たワンちゃんと私の思い出をご紹介したいと思います。
子供と犬
私が物心つく前から一緒に居たグレートピレニーズ。
私がその白いモフモフの動物がワンちゃんだと分かるようになってからは、時間があればずっと一緒に居たのを覚えております。
名前は、ダイちゃんと言い、もしかしたら本来の両親よりこちらの方が親だと思っていたのか、私はいつもダイちゃんの傍に行っては時間が許す限り顔を覗き込んだり、撫でたりしていました。
ダイちゃんの特徴としては、
とにかく鳴かない、じっと座っている、散歩の時もゆっくりと歩くなど全体的におっとりした動きが多く、何より優しさ溢れるワンちゃんでした。
そんなダイちゃんとは多くの思い出があるのですが、特に印象に残っている思い出があります。
公園での出来事
ある日、ダイちゃんと両親と一緒に自宅近くにある自然公園に遊びに来た時の事です。
当時、私は中学生でしたが、小学生並みにやんちゃで子供っぽく、
探検ごっこと称してあまり人が立ち入らない場所にダイちゃんを連れて散歩をしておりました。
自然公園なのでコンクリートで作られた道を外れると、もうそこは森の中。
落ち葉や履いている靴の高さを超えてくる長い草、木の枝があちらこちらに散乱しているような場所で私とダイちゃんは冒険を楽しんでおりました。
その時です。
「いたっ!」
私は、突然足に痛みを覚えました。
どうやら、長い木の枝を踏んだ時に枝の先が私の足を少し刺してしまったようなのです。
私は、予想もしなかった事態に一瞬戸惑い、手で足を押さえました。
後から思えばそこまで大した怪我ではありませんでしたが、自分の足からは血が出ており、その事態に私は少し顔を歪ませました。
すると、あのおっとりしたダイちゃんが走って近づいてきて、私の足に鼻を近づけ、
くぅーんくぅーんと心配そうにしてくれたのです。
私はその時、とても穏やかな気持ちになったのを覚えております。
そして、その時はもう足の痛みの事など忘れておりました。
暫くして私は、ダイちゃんに勇気を貰いつつも立ち上がり、また歩き始めようとしました。
するとダイちゃんは、そのまま走ってどこかに行ってしまったのです。
私は、足の怪我の事も忘れてダイちゃんを追いかけました。
(どうしたんだろう…)
不思議な気持ちで一杯だった私は、ダイちゃんを見失わないように追いかけます。
すると…
ダイちゃんは、ある人達の所に行って急に止まりました。
何とその人達は、私の両親でした。
そして珍しいことにダイちゃんは、ワンワン吠えて両親に何かを訴えていたのです。
私が両親の元に到着すると、両親がすぐ私の怪我に気付き、
たまたま持っていた絆創膏で簡単な処置をしてくれました。
その後ダイちゃんは大人しくなり、地面にゆったりと座り込んだのでした。
その時の私は、本当に不思議な気持ちで一杯でした。
そしてその思い出は、何故かずっと私の心の中に残っているのでした。
今思い出せば、あの時ダイちゃんは私の事を心配して、両親に知らせに行ってくれたのだろうということが分かります。
今だからこそ思うのですが、
しかしそんな作られたドラマやアニメみたい出来事があるだろうかと、未だに不思議な体験だったと私は感じているのです。
そんな優しいダイちゃんでしたが、やはりどうしてもペットを飼っていると体験してしまうある出来事が訪れてしまいます。
避けられない出来事
私が高校3年生になって大学入試の勉強が本格的に始まった時の事でした。
学校から帰ると両親が心配そうにダイちゃんを見ております。
「どうしたの…?」
どことなく嫌な予感に駆られて私はすぐ両親に尋ねました。
「ダイちゃんももう歳だからね…最近あんまり元気が無いみたい…」
私ももう高校生でしたので、さすがに言葉の意味は理解出来ましたが、
その時私の心にとても嫌な突き刺さるような感触を感じました。
「そっかぁ…」
そんな言葉しか出ませんでしたが、
私の気持ちの中では小学生が駄々をこねる時に出てきそうな言葉や気持ちで一杯でした。
私は、受験勉強に集中できる気持ちにはなれず、
学校から帰ってきては勉強もあまりせずにダイちゃんをずっと撫でておりました。
勿論、ダイちゃんを連れて一度病院にも行きましたが、特に問題は無く、
後は自宅で過ごすしかありませんでした。
そして少し日にちが経過し、私がいつものように学校から帰ってきてダイちゃんを撫でていた時の事です。
「くぅーん、くぅーん…」
何かダイちゃんが言いたそうにしております。
父は仕事でしたので、私は急いで母に言いました。
「ダイちゃんが苦しそう…」
母が心配そうにダイちゃんに駆け寄ります。
「どこか苦しいのかい?」
母がそう言いますが、
ダイちゃんは相変わらずどこか寂しそうな鳴き声で鳴き続けております。
そして…
顔を上げていたダイちゃんは、ゆっくりと顔を下に降ろして、そのまま目を閉じたのです。
母や私が声を掛けてもダイちゃんの反応は無く、
その後帰ってきた父親とも確認をしましたが、どうやら息を引き取ったようでした。
私は、久しぶりに顔から涙を出しました。
私にとってダイちゃんは「ペット」なんていう扱いではなく、
「家族」を亡くしたような感覚で、私はずっと涙が止まりませんでした。
次の日までは、家族で寄り添いながら一緒に過ごし、
翌日にペット火葬の手続きをし、家族皆でダイちゃんの最後の見送りをしたのでした。
もう一人のおじいちゃん
以上ここまで、実家に居たワンちゃんと私の思い出をご紹介しました。
ご紹介内容がかなり湿っぽくなってしまいましたが、
私にとっては決して悲しいだけの思い出ではありません。
現在している仕事において、時にはくじけそうになることがあります。
そんな時に私は、ダイちゃんを思い出すのです。
あのどっしりした優しい温和なダイちゃんを。
今思えば、あのダイちゃんの姿はまるで私のおじいちゃんのような存在でした。
私をいつも優しく見守ってくれているかけがえのない存在です。
そんなダイちゃんは、私が天国に行くまで、私の心の中でまだ生きているのでしょう。
diary.st著
